音楽学校の受験や専門家を目指す方

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楽曲の解釈を

 
将来プロフェッショナルを志すみなさんには、専門的な教育が必要です。
私自身が進学してきた中で大きく実感していることは、「楽曲を解釈する力と音楽的な発想を、いかにして表現するか」ということです。
記譜法には決まりがあるので、一見すると誰にも同じように解釈できるように思えます。ただ、そこに書かれた情報の『何に着目するか』が変わると、その音符の意味が変わってきます。同じ和声から違う響きを想像できたり、それまで聞こえてこなかった副旋律が浮かび上がってきたり、音符の長さに微妙な変化を感じたり。

解釈することと感じること

 
〔解釈〕という言葉を使うと、理論的な分析と思われがちですが、必ずしもそうではないかもしれません。
確かに、理論と照らし合わせる必要はありますが、実際の演奏に役立つ理論というのは極々基本的なことが多いです。
形式や様式であったり、調性であったり、和声法であったり、楽典の勉強でいえば最初のころに習うようなことがほとんど。
 
でも、そのような解釈ができるのは、その音楽に大いに想像力を働かせるからこそできるものです。時代背景を想像したり、ほかの作品を知ったり、たくさんの事柄を自分の中で様々に結び付けていくことで、どんどん膨らんでいきます。

解釈することと感じることは、常に同じだけ必要です。

奏法は表現するために必要な手段の一つでしかありません

 
様々な出会いから、私自身はこれまでに3回奏法を学びなおしました。
それまでの弾き方を全部否定するような学び方をした時もあるので、一時的にとても不自由な状態になったことすらあります。
そんな経験の中で確かに思うことは、

奏法(技術)は自分の体に定着させられなければ使えない

ということです。
例えばある指導者が「素晴らしい」という奏法に感銘を受けて、必死に体の使い方を真似てみたとします。しかし、そこに弾きにくさを感じたときは、恐らくそれは自分の体に合わないものなのでしょう。
ひとりひとり骨格も筋肉の付き方も違います。それまでの奏法の癖も違います。ですから、必ずしも指導者と同じ感覚を共有できるとは限りません。

大切なことは〔奏でたい音楽に近付くために学ぶこと〕

 
奏法のこともそうですが、レッスンで行われるすべてのことは、常にたくさんの可能性の中からお伝えしています。
「〇〇でなければならない」ということではなく、そこには求める音楽の形があって、そのためのひとつの手段や可能性をお伝えしているものです。
だから、私が言ったことと違うことを考えても良いのです。違う弾き方をしてみても良い。そこからまたさらに深く考察していくことができます。
そうやって講師とともに曲を弾きこんでいく過程で、多くのことを経験してください。

この先もずっと、私も学び続けます

 
私がこれまでに師事してきた先生方は、たくさんの受験生を輩出されている先生でしたが、どの先生も生徒が受験の厳しさや技術力だけに凝り固まらないよう、いつも刺激的なレッスンをしてくださいました。
そのおかげで、受験に合格でき、卒業後も音楽の楽しさを見失うことなく勉強を続けられ、今日があります。
先生方が私にしてくださったように、私もみなさんに楽しく学んでいただき、そして私自身も常に研鑽を積んで、より多くの解釈を知っていくよう努めています。
どうぞリラックスしてレッスンにいらしてください 

専門を目指す方には、約90分レッスンのアカデミーコースでの受講をおすすめします